ここはどこ?
万博が始まって1カ月余りの5月中旬のこと。私は、先輩の依頼で車椅子利用者の入場ゲートでの対応についてインフォ(インフォメーション=案内所)に聞きに行った。カウンターの若い女性は「車椅子用の広いゲートは両端にあります」と答えた。では、そのゲートまではどのようなルートを通っていけば良いのかを聞くと、返事がない。こちらの聞き方が悪かったのかと思い、「途中までは他の方と一緒にゲートに向かうの? 車椅子の人を案内してくれる係の人がいるの? 係の人はどこにいるの?」と尋ねなおした。彼女はしばし沈黙の後、「そういったことは外の誘導に任せているのでここではわかりません」ときっぱり。私は茫然。ここインフォだよね? わからんってアリなん? せめて「確認しますのでお待ちください」ちゃうん? 案内係の名札、外したほうがええで思った。
こんな職場、どやねん
通期パス30000円が、1回でも入場した人は24000円で購入できる。と、千葉から来た友人が教えてくれた。この割引キャンペーンは期間限定で手続きには会場で割引コードをもらう必要があった。5月に仕事で1回入場していた私はキャンペーンの対象者なので、6月1日に万博に行った時、西ゲートのチケット引換所に立ち寄り、割引コードについて尋ねた。すると「キャンペーンは昨日終了しました」と言われた。通期パスの購入は迷っていたので絶対欲しいわけではなかったが、手に入らないとなると、なんだか残念。
と、翌日、友人から「今、万博で割引コードもらったよ。私、使わないからあげる」とLINEが。「キャンペーン、終わったって聞いたよ」と返すと「一週間延長になったんだよ」だって。こんな大事なことを周知徹底できない職場って、どやねん、と思った。
Wi-Fiはどこ?
関西パビリオンでのこと。刀剣の展示があり、スタッフの女性が刀の案内板を指し示して「詳しくはこのQRコードからどうぞ」と教えてくれたのだが「私のスマホ、Wi-Fiないとなかなか使いづらくて。でも、この会場ってないんですよねぇ」と言ったら、「Wi-Fi? ありますよ」と。そうか、パビリオン毎にあるのかと喜んだが、つながらない。さっき「ある」と言い切ったスタッフはどこかに行ってしまったので、他のスタッフに「ここWi-Fiあるって教えてもらったんだけど、どこならつながるの?」と聞いたら「あるのはスタッフ専用のものだけです」だって。またええ加減な案内されたとガックシなのだった。
知らなくても勤まる職場
場内には億を超えるトイレがあると聞き、ある日、場内の流しの案内スタッフ(数人グループで場内を回っている)に「億を超えるトイレってどこ?」と尋ねた。「あそこのことだと思います」と場所を教えてくれたので、ついでに、「なんでそんなに費用がかかったの?」と聞いたら「さぁ…」。知らんのかい!? とガクっ。それで勤まるんや、ええな、と思った。
ところで…私と万博
EXPO2025は私にとって人生で2回目の大阪万博だ。
1回目で覚えていることはエキスポランドのジェットコースター・ダイダラザウルスの2に乗ったことだけ。2回目になる今回の万博については、スタッフ募集(ちょっとした気の迷いで応募した。時給、良かったしね)の2次試験に落ちてから「ご縁はない、だからきっと行かない」と思っていた。
ところが、以前お世話になっていた派遣会社から万博の第2交通ターミナルでの仕事の話が来た。5月7日から10月13日まで毎日運行するバスに予約客を乗せるというもので、メンバーの一人として声がかかった。当時は絶賛シュウ活中(今もだけど)、が、ちっとも決まらずそろそろ働かねばヤバイ時期で、つい受けてしまったのだった。
ところでパート2…私と通期パス
仕事は週2回。だが、これが「辛い疲れるつまんない」の3Tで、続けるためには何か楽しみを見つけねば、と思っていた矢先の通期パス割引キャンペーン。興味もお金もないのにもったいない、と思う反面、「人生に一度きりの機会だから」と遠方からわざわざ訪れる友人の言葉に、それもそうかと購入ボタンをポチっと押した。
一日たっぷり隅から隅まで見て回る人ならば4回入れば元が取れる通期パスだが、仕事前の1~2時間で入れるところをさーっと観るだけの私の場合は、何を基準に元を取っていけば良いのやら? 考えて出た答えが、入場回数だった。10回入れば1回2400円、20回入れば1200円、30回入れば1回800円で万博の雰囲気が味わえ、さらにパビリオンにも入れる。それなら、ええじゃないか。
だから私は、万博に通っている。
かと言って、仕事のない日に行く気にはならない。一度ぐらいは夜、会場内で花火やドローン、あるいは夜の空いたパビリオンを見ればいいと思うのだが、休日にわざわざ職場に行く人はいない。だから私も行けないのだった。
チケットエラー事件
8月13日、コンビニに寄りたかったので東ゲートの左端から入場した。と、ゲートのスタッフが慌ててチケット認証マシン(実際の名前は知らない。チケットのQRコードを読み取らせる機械。写真参照)を立ち上げ、こちらにどうぞと誘導したので、印刷していたQRコードをかざしたところ無音だった。

隣の機械でもう一度、と言われ、そこでかざしたら今度はエラー音が出た。何度やってもその音が出て、とうとう別の係員にゲートの右端にあるチケットエラーセンターに連れていかれた。(ゲートの端から端まで数十mを歩かされる段階でイラっとしていた。)
そのセンターのカウンターのリーダーで印刷済みの私のチケットをすぐに読み取ってくれれば、即座に解決していた。
だが、カウンターの担当者は、まず私のスマホを使って万博のログイン画面を開いて確認しようとした。私が「自宅のパソコンで手続きしていて、今、IDとかわからないから開けない」さらに「Wi-Fiないと動き遅い」と初めに伝えたにも関わらず、私のスマホをいじり始めたのである。
5分、10分と経っていく。相当イラついたのでスマホを取り返し「ここに協会からの4日前リマインドがあるけど」と画面を見せたら、ようやく担当者たちは、何かを思いつき、印刷したチケットのQRをスキャンした。結果、「入場済になっていますね」だと。とんだ時間の無駄だ。怒り心頭でとっとと出ようとしたら「スマホにアプリ入れておいてくださいね、そのほうがこういう場合、早いので」だと。
余計なお世話や。今までエラー出したことないわ! 想像するに認証マシンが電源入れた直後やったから反応がおかしかやったんやろ。ゲートの担当者が担当者ならチケットエラーセンターのスタッフもどうしようもない。すぐにチケットを読み取っていれば10秒で終わったことを時間かけやがって。4か月経っても一人前の対応がでけへんとはホンマええ加減な職場や。
「その上、そうや、あいつら、詫びの一言もなかったな」
ということにあとで気づき、私のEXPO2025の怒りはこの日、最高値をマークしたのだった。
薄笑いで済ませたスタッフ
チケットエラーで怒った日から4日後の8月17日、サウジアラビアのダンスステージだけを目的に入場した。イベント情報は珍しく事前にネットで検索して見つけた。(※この検索画面が使いづらいの何のって。だから普段はゲートを入ってから貼りだされた表を見て確認している。)
イベント開始は15:30、西のポップアップステージ。その時間に合わせて向かった。が、ほんの数分、遅れてしまった。そして、撮影スポットを探してうろうろしている間に、1曲目が終わりダンサーたちがはけていった。司会者が「小休止です、すぐに始まります」と繰り返したので、他の人と一緒にそのまま待った。ところが10分経っても15分経っても出てこない。こちらは炎天下で待たされている。途中、司会の女性が、舞台前方の客数組に何やら囁き、彼らはその場を離れていったのを目撃していたので、なんか怪しいと思って、舞台袖まで移動し、その女性に「すぐ始まるって、いつ始まるの?」と聞いた。すると彼女は答えた。「16時です」。「さっき、すぐに始まるって案内してたよね?」と詰め寄ると彼女は薄笑いを浮かべ「サウジアラビアの小休止は30分なので」と。
彼女の行動を見る限り、彼女もすぐに出てくると思ったので、「すぐ始まる」とマイクで繰り返し言った、でもすぐに出てこないのでダンサーたちに聞きに行った、ダンサーたちは30分後と言った、今さら訂正を広報できなかったのか、する気がなかったのか、炎天下でじっと待つ人を目の当たりにしていても訂正しなければならないということに考えが及ばなかったのかはわからぬが、一部の事前に問い合わせのあった客を除いては、とにかく黙っていた、ということが想像できた。
ブチ切れたので、「だったら、ちゃんと案内して」と言って私は立ち去った。
会場出口へ向かいながら私は思った。「ほんま臨時雇いの素人ばかりで不愉快千万、こんな万博、大嫌いやー!!」
夏休み最後の思い出
夏休み最終日かつ夏パス利用最終日で18万人が来場した8月31日。帰宅すべくユニバーサルシティー駅から西九条行のJR一番後ろの車両に乗って座ったら、1つ前の桜島駅(万博シャトルバスの乗降駅)から乗車している斜め前の夫婦が目に入った。
もしかして、あの人…?
懐かしさに胸が震えた。(この表現、語弊アリ(笑))
でも、本当にあの人なのだろうか? 長い間会っていないだけに確信が持てない。前に会ったのはいつだっけ、おそらく15年以上前。だいいちそんな偶然あるわけないし…。
でも、彼も通期パスを買ったと聞いた気がする。としたら、やっぱり彼? でもそれにしてはおっさんすぎる(失礼<(_ _)>)、それに向こうは私に全く気付かない、きっと他人の空似だ。でもこっちもすっかりおばちゃん、わからなくて当然か。
本人か、別人か…声をかける勇気はないが、どうしてもこの疑問を解決したい。
考えた私はこっそり写真を撮った。それがコレだ。
翌日、疑問は早々に解決できた。「あの人」を知っている従兄に会ったので、写真を見せたところ従兄は即「アイツや」。嬉しかった。当たってたことが。
あの人=アイツは、従兄の友人で、私とは従兄と一緒に何度か飲みにいっただけの仲なんですけどね。こんな場所で会ったという偶然に興奮しちゃったわ。さすが世界の人が集う万博って感じ?
その後、従兄が写真を彼にメール送信したら「盗撮は犯罪です」と返信が来た。きゃあ、ごめんなさい! でも、夏休み最後の思い出として残させてぇ。
感動をありがとう
万博の素晴らしき人々
●インドネシア館のスタッフ
入口誘導スタッフのエンターテイナーぶりや一口コーヒーサービスのホスピタリティにも感動したが、パビリオンのラストを飾るシアターの誘導員のきびきびした動きには思わず心の中で拍手を送った。(8/6)
●飯田グループ出展館のナレーターさん
プロローグの映像を流す前後に司会の女性は手話を使いながら日本語で話した後、英語でも紹介。おそらくプロのナレーターさんだろうが、プロフェッショナルなナレーションのおかげで今から素晴らしいものを見られると期待感が高まった。(8/10)
●竹中工務店「森になる建築」の案内スタッフ
パビリオン前の屋外、帽子や傘で自衛はされていたが太陽さんさんでさぞや暑いだろうに2人の女性がにこやかに対応されていた。さらに私の「これ、何?」から始まる様々な疑問にスラスラ回答。それ以外にも「大屋根リングは3社が3分の1ずつ建築しており、よく見ると、それぞれ工法が違う」といったことも教えてくれ、短い時間でも充実の万博訪問になった。やっぱりパビリオンは発見や学びがあってこそだ。(9/3)
●桜島シャトルバスのドライバーさん
入場予約が取れなかった日。3カ月ぶりにJR桜島駅から西ゲート行のシャトルバスに乗った。

乗車時間は約15分。その間、ドライバーさんは運転しながらマイクを通して大阪市のごみ処理施設や道路の造りやら海遊館の観覧車やら明石海峡大橋やらまで案内してくれた。以前にはなかったことだ。いつからこんなサービスが始まったのだろう、ホスピタリティにあふれた乗務員さん(阪急バスの運転士さん)に感激した。(9/14)
※その次に乗ったシャトルバスのドライバーさんは無言だった。運転士さんの案内付きはやはりレアのようだ。
万博の素晴らしき人々(番外)
ときめいた夜
●9月18日21時ユニバーサルシティ駅にて
帰りはユニバーサルシティ駅から乗車する。この日は、駅に着くと同時に雨が降り出した。空いているホームの一番端は、屋根がない。でも、もう人込みは嫌だ。私はひとり雨の中、立った。傘を出すのも面倒だ、濡れてしまえ。と思っていたら、いきなり雨が止んだ。え? 人の気配に右隣を見ると、美しい女性が私に傘をさしかけてくれていた。そして、笑顔で「一緒に入りましょ」と。
思わず照れた。優しくされて。それも素敵な女性に。電車が来るまで、ずーっとドキドキ。時々彼女の横顔をチラ見したりして。
いやあ、かっこいい女性だったわ~。ショボい万博、ぱっとしない一日に不貞腐れていたけど、最後にときめかせてもらえ幸せな気分になりました。ありがとう。
イラストはイメージ。実物はもっと凛としていて、かつ、かわいらしい人(たぶん20代前半?)でした
こんな時はココ
●休憩したい時
インドパビリオンのビデオ上映室。涼めます。
●安上りにお腹を満たしたい時
大手コンビニ、あります。軽食類の商品ラインナップと価格は場外の店舗とほぼ同じ。ただし、ローソンはポンタポイント付与はありませんでした。ナナコは知らんなぁ。Tポイントも聞いてないなぁ。
●美しい夕日を堪能したい時
団体休憩所(西)がオススメ、と以前から会場スタッフに聞いていたが、実際行ってみて、なるほどと思った。ここから六甲山に沈む夕日、世界中の人に見ていただきたいものだ。
●人込みから逃げたい時
私は、つい団体休憩所(西)へ行ってしまう。比較的人口密度が低いと思う。(下の写真は22万人が入場した9月17日の団体休憩所(西)14時30分頃の様子)
入場ゲートの実態
●とにかく待ちます
朝イチは特に混雑。9時予約で西ゲートに9時過ぎに並んで入場できたのは10時過ぎの経験あり。
団体ツアー客も一般客も関係なしで並ぶ。一般客は家族分などチケットの確認に時間がかかる人がいた場合は、そこで時間がかかり、ちっともスムーズではなく、デジタル化している意味がない。
陽射しを遮るものはゲート前まで一切なし。自衛策をとっておかないと熱中症で入場前に倒れる可能性ありと思った。
●夜間チケットも待ちます
友人が16時以降のチケットで訪問。ゲート前は14時頃から16時予約の人が待機し始めるが、入場できるのはもちろん16時ぴったりから。
混雑を避けて遅めがいいかもと友人に進言し、友人もそうだねと16時40分頃に東ゲートに向かったところ、やはり入場まで1時間近くかかったとか。
何のための予約制? 何のための認証ゲート? 誰か教えて!
●おすすめタイム
私は11時もしくは12時の予約で(1週間から10日前に取るので、9時、10時は満員で予約が取れない)14時前後に会場に行く。と、8月中はたいてい並ぶことなく入場できている。
終了が近づくと共に入場者が増えた場合は、並ぶ可能性もありそうだけどね。
※実際、9月に入ると駆け込み組の来襲が始まり、入場ゲートの混雑は長時間に及ぶようになっている。覚悟して行ってね。(9/15)
入場ゲートの実態2
●チケットは印刷がベター
8月24日の14時過ぎ、東ゲートの一番右、6番入口へのんびり向かっていたら手荷物検査場20mほど手前で、背後から足音がして、直後、私の横をすり抜け検査場に突っ込んでいったおっちゃんがいた。
そんなに慌てんでもええのになぁ、と思いつつ、おっちゃんの次に手荷物検査場を抜けて、例のチケット認証マシンに向かった。と、そのおっちゃん、スマホの画面と悪戦苦闘中。画面が出ないのか出した画面が認証してくれないのかわからないが、流れる汗が冷や汗に変わっていた。と、スタッフが私に「先にどうぞ」と案内。私はいつもの印刷したチケットをマシンに読み込ませ、一瞬で入場。
場内を歩きながら呟いた。「追い越しオヤジ、おいこしかえし」。おあとがよろしいようで…。
入場ゲートの実態3
主催者さんに物申す
9月17日(水)、いつもより1時間以上早く自宅を出た。今日こそ1時間は並んでみようと思ってのことだ。しかし、12時55分、東ゲートに着いて驚いた。11時までの予約の人のみゲートに通して、12時予約の人は足止めされていたのだ。
天候は晴れ、気温34度の日の炎天下、地下鉄が到着するごとに待つ人はどんどん増えていく。自ずとソーシャルディスタンスはなくなり、人いきれで酸欠状態。もうぶっ倒れそう、と思った13時25分、ようやく12時予約の人の入場手続きが始まった。
数百人はいるだろう人の塊が動き、20数個はあるだろうゲートに分散して雪崩れ込んでいく。
進む先では「奥のゲートのほうが空いています」と誘導員の声はすれども姿は見えず、下手すりゃ押し合いへし合いになって危ないとこれまた怒りが増していく。
何のための予約やねん。協会は、1時間の受入数も計算でけへんのか!? 心の中で毒づきながら手荷物検査を待つ私。そうしてゲートを通過するまで約30分、その間に側にいた赤ちゃんは泣き叫び、隣の列の高齢女性はバタリと倒れていた。
ああ、恐ろしや。命輝く未来ではなく、命が危ない万博になっている。
よく暴動が起きないものだと思った。私なんぞは途中で怒鳴りそうだった。しかし、人込みで怒鳴る相手が見えないのだ。
だから、私はここで怒鳴る。
主催者さん、予約の意味わかってる?
そもそもこの炎天下に待たせるなんて、あんたら、ここに並んだことがあるん?
私らゲストをゲストと思ってない、この扱いは、いったい何なん?
答えてくれぃ!
どうでもいいけど言いたい話
●パソナで二度見した件
真剣に館内を鑑賞していた私は、途中、偉い先生方の写真パネルが飾られている通路を通っていた。最後のお1人の顔を見てびっくり。なぜあなたがココに?(私は某お笑いコンビDDのTさんだと思って)二度見した。が、よーく見て違うことを確認し、ひそかに一人笑っていた。(先生、堪忍な。)
尚、パソナ館内には地中の様子がわかるコーナーがある。そこで撮った写真も掲載しておきたい。インパクトあるでしょ?